マルチプローブ式内挿UTとは

マルチプローブ式内挿UTという言葉は一般ではあまり聞きなれない言葉ですが、これは神鋼検査サービスが行う検査技術のひとつです。
ボイラ伝熱管の全長連続肉厚測定のための技術で、発電設備におけるボイラ管の密集した再熱器や過熱器、節炭器などのパネル深層部の肉厚を測る検査方法です。外面からの検査では、特に深層部にあるボイラ管の肉厚を測定することはかなり困難なようです。しかし、マルチプローブ式内挿UTという測定技術では、この困難な検査を可能にしているとのこと。

ボイラ管の内部を水で満たして、その内部にマルチプローブセンサを取り付けたケーブルを挿入します。そのセンサ付きのケーブルを移動させながら計測することで、ボイラ管全体の肉厚を連続した状態で測定することが可能になるということです。測定結果として、全体の肉厚の分布を表示することができ、肉厚の正常な箇所、また、薄くなっている個所など、その程度によって色分けされて表示されるので、視覚的にボイラ管の状態を確認することができます。発電設備の保全活動を行う上では、かなり有効な検査技術となっているようです。

■CMで有名な非破壊検査
神鋼検査サービスはテレビでCMも流れており、有名なのが非破壊検査ではないでしょうか。マルチプローブ式内挿UTも非破壊検査であり、超音波探傷試験のひとつになります。非破壊検査には、他に浸透探傷試験、磁気探傷試験、放射線透過試験、ひずみゲージ試験といったものがあります。浸透探傷試験は浸透液を表面に塗布することで、人間の眼では見えにくい傷等に着色することで見えやすくするといったものです。
磁気探傷試験では、磁力によって傷を検出する検査となります。放射線透過試験はエックス線やガンマ線などの放射線を使用してフィルムを感光させる検査です。人体ドックなどでもX線によるレントゲン検査やCT検査がありますが、それと同じようなものです。
ひずみゲージ試験では、各部材にかかるストレスを測定するものですが、シミュレーションで解析計算を行い、その検証のために実際にひずみゲージを取り付けて測定します。

■検査専門の神鋼検査サービス
神鋼検査サービスは1986年に神戸製鋼所の完全子会社として設立されました。単純に考えれば、神戸製鋼所の検査部門をひとつの会社にしたということのようです。その結果として、自社の検査技術を外部のさまざまな会社での検査に役立てることができるようになったといいます。非破壊検査以外にもさまざまな検査技術をもっていますし、検査に必要となる測定機器の販売も行っているようです。